緩和ケアに入ります
母が言った。
緩和ケアに入ります。と。
化学療法をやめようかな。と言う言葉を聞いてから、私が決めることではないと思った。
点滴してしんどくても、帰ってきた孫と一緒にいてたら、役に立ってるかな。
そんな理由で点滴するんだろうか。私にはその言葉に返事はできなかった。
なるべく母には長く生きて欲しい。人は誰もが死ぬのはわかってる。生きてたら死ぬのだ。別れはある。でも、それが自分の家族になると、なるべく先でお願いしたいと思う。
子どもや私たちとなるべく過ごして欲しい。穏やかに。父がややこしいのだけど、そこも含めて穏やかに過ごして欲しい。
あー。母のマッピングしてもらおうかな。私ではできないよ。
母が弱っていくことも、母と別れがあることも、母がいなくなってからの生活も、想像することは私にとってしんどいんだよ。
でも、人より早いかもしれない。
なるべく母が母らしくいて欲しい。もしかして私が知ってる母は自分らしい母なのだろうか。たくさんの我慢の中の母なのではないか。私のため孫のために生きてくれているのだろうか。
私は母に頼ることでしか、母が生きる理由を伝えられないのだろうか。
私の母へのミッションはまだ終わってない。
どうしよう。今日ハグしてもらおうかな。
あー泣ける。でも、しんどい時にしてもらうより、まだ元気な時にしてもらいたいな。孫を抱っこするみたいに。ぎゅってしてもらいたいんだ。いいかな。
昨日から胸がワサワサして何も手につかないのは、このせいなのかな。
母が化学療法をやめることが穏やかな生活に続くと思ってるのに、辛いんだ。これ味やわ化学療法しなくてもいいって思ってたんだ。だから、私もそれで良いと思ってる。
でも、とても悲しい。この決断が。
ずっとこの時間が続いたらいいのにと思う。つまり終わることを考えてしまうのだ。
泣きたいのにどこでも泣けない。と思ってたら電車で泣いてるよ。とほほほ。
さぁ。家だ。今日は夫とお疲れ会だ。